Cumengite from Mexico
 
 
 
 
 
 


  品 名:        キュマンジェ石
  Mineral Name:    Cumengite
  産 地 (Location): Amelia Mine, Santa Rosalia, Baja Sur, Mexico
  サイズ (Size):    0.6 x 0.5 x 0.5 cm
  登 録:        2018年10月

  先に下の標本を入手したばかりでしたが、後から更に完璧な標本が
  出てきて、再度入手した標本が上になります。
  下の標本より、幾分小さ目ですが、この標本は、接地面を除いた全方位
  欠けや傷のない完全な結晶体となっています。
  このような美しい造形を自然が作ったことに驚きます。
  濃いインディゴブルーとシンメトリーな造形に強く惹かれます。
  (写真は明るめのブルーに写っていますが、現品は濃いインディゴブルーです)

 
 
 


  品 名:        キュマンジェ石
  Mineral Name:    Cumengite
  産 地 (Location): Amelia Mine,
Santa Rosalia, Baja Sur, Mexico
  サイズ (Size):    0.9 x 0.7 x 0.7 cm
  登 録:        2018年9月


  キュマンジェ石は、メキシコのアメリア鉱山で産出している極めて稀な鉱物です。

  十字形24面体の濃いインディゴブルーの結晶を最初に見たときは驚きました。
  まるで人工の造形のようで、とても自然の造形とは信じられませんでした。
  濃いブルーとこの特異な形の鉱物は、滅多に手に入らない標本です。
  私も永年探していて、やっと手に入れることができました。


  この標本は、メキシコの鉱夫が所持していたものが売りに出されたもので、
  普通数ミリ台の大きさしかありませんが、入手した標本は1cm近い大きさが
  あります。


  キュマンジェ石の組成式を同じハロゲン化鉱物であるボレオ石と比較すると、


  キュマンジェ石:    Pb21Cu20Cl42(OH)40

  ボレオ石:      KPb26Ag9Cu24(OH)48Cl62


  キュマンジュ石は、ボレオ石から銀とカリウムが抜けた式になっています。


  実は、キュマンジュ石はボレオ石と特異な関係にあり、ボルオ石を母体として、
  ボレオ石の立方体から連続的に成長したものと云われています。

  この成長様式をエピタキシャル(エピタキシー)と云い、近年の半導体製造に
  使われているテクニックでもあります。


  エピタキシャル成長とは、「結晶構造に類似性のある二種類の鉱物間で、
  一つの鉱物の上に光学的に連続した結晶方位で他の鉱物が成長すること」
  とあります。


  エピタキシャル成長の最も代表的な事例は、
  板状のヘマタイトから金色のルチルが放射状に伸びた太陽ルチルが有名です。
  エピタキシャル成長している鉱物は、閃亜鉛鉱と黄銅鉱の関係など注意深く
  観察すれば、事例は他にも沢山あります。


  半導体製造装置である分子線エピタキシャル装置では、
  真空チャンバー内でシリコンウェハー上に格子定数のほぼ等しい結晶を蒸着
  させ半導体を作っていますが、自然界に先にお手本があったことになります。


  また偏光顕微鏡下で観察すると、キュマンジュ石は緑色と青の二色性が
  確認されている。